薬剤師は国家資格です。国家試験に合格しなければ与えられません。
基本情報、合格率、そして攻略法について説明します。
1. 薬剤師国家試験の内容
薬剤師国家試験は、出題範囲が大きく分けて次の6科目に分かれています。
<理論系科目>
薬学理論:化学、物理、生物などの基礎薬学
薬学実務:薬剤師業務に関連する知識、薬物治療学、薬剤学
<実務系科目>
薬物動態学:薬物の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)
薬理学・病態学:薬の作用機序や疾患の理解
薬物治療学:具体的な治療における薬物選択
法規・倫理:薬事法、医療倫理など
合計345問が出題され、マークシート方式で行われます。
試験は2日間にわたり行われ、幅広い知識と実践的な問題解決能力が要求されます。
2. 合格率
薬剤師国家試験の合格率は年度によって異なりますが、ここ数年の平均合格率は 60%前後 です。
たとえば、2023年の第108回薬剤師国家試験の合格率は 63.0% でした。合格者の内訳としては、新卒の受験者の方が合格率が高く、既卒生や再受験生の合格率はやや低くなります。
3. 薬剤師国家試験の攻略法
効率的な攻略ポイントとしては以下の4点です。
① 必須8割、薬理8割で合格確率80%
得点が伸び悩む人はまずここを目指すのが第一歩といえるでしょう。
実際に薬剤師国家試験の第104回必須問題(問9)と理論問題(問96)を比較してみましょう。
必須問題は原則5者択一です。
10者択一の理論問題と比べれば、得点できる確率が高く問題もやさしいためコスパに優れています。
また薬理学は”薬の作用を問うシンプルなクイズ”です。
出題する側も難化させづらいため、慣れてくると割とあっさり解けてしまいます。
そもそも論として、薬の名前や作用を知らない薬剤師に信頼が置けないのは当然ですよね。
② 過去問の徹底的な活用
言わずもがな過去問は国家試験対策の要です。
肌感覚的には、毎年出題内容の半分程度は過去問の焼き直しと言えるでしょう。
少なくとも10年分の過去問をインプットし、形を変えられても対応できるとベターです。
(最も理想的なのは、何年の第何問かまで確実に把握していることです。)
予備校が実施する模試は、過去問10年分を解き切って余裕があれば取り組んでもよいでしょう。
③ 工夫次第で、暗記量は減らせる。
薬剤師国家試験は暗記事項が多く脳みそがパンク寸前になります。
ただ工夫次第で暗記量を減らすことができます。
例えばARBであれば「〜サルタン」が必ず語尾につくので細かい名称までは覚えなくてよいですし、血中のホルモン濃度が過剰に増えると人体はバランスを取るためにそのホルモンの分泌を止めようとする習性(ホメオスタシス)があることを知っておけば、内分泌系の問題はそれだけで解けてしまいます。
ただしケースによっては理屈が通らないこともあるので、その場合はゴロ覚えがツイッター上に転がっていたりするので活用するのもよいでしょう。
④ 起床時間と就寝時間を統一する。徹夜はNG。
十分な睡眠は記憶の定着を助け、集中力や思考力を高める効果があります。また規則正しい生活リズムは体調管理に寄与し、長期間の学習における疲労を軽減します。
逆に無理な夜更かしや睡眠不足は学習効率を下げ、体調を崩す原因にもなるため、計画的に睡眠を取ることが重要です。私の場合は夜12時までに寝て、朝7時に起きることを徹底していました。
⑤ 予祝
「予祝(よしゅく)」とは、あらかじめ成功を祝うことでポジティブなエネルギーを引き寄せ、目標達成をより確実にする習慣です。心理学的にはポジティブなイメージを持つことで脳がその未来を現実のように捉え、行動力やモチベーションを高めます。
具体的には毎朝鏡に向かって「合格したぞ!よっしゃー!」と叫んでみたり、合格後に薬剤師として勤務している姿を想像しながらご飯を食べたりするなど、いくらでもやりようはあります。
また友人や家族と一緒に合格を先に祝うイベントを行い「成功してよかった!」という感覚を共有するのも良いでしょう。
私の友人が伸び悩んでいた際にこれらを取り入れた結果、見事無事に合格することができました。
まとめ
薬剤師国家試験合格への道のりは険しく、人によっては「人生で一番勉強した」「もう二度としたくない」と音を上げる方もおられます。
ただ私踏めて薬剤師の先輩方は皆通り抜けてきた道です。以上に挙げた5か条を日々の生活に取り入れていけば自ずと合格は見えてきます。
不安な方は私のところまで相談ください。
最後にイチロー選手の格言を紹介して終わりたいと思います。
「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道。」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
出典:厚生労働省 薬剤師国家試験過去問
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